ラボグロウンダイヤモンド

introduction

ラボグロウンダイヤモンド元年と言われた2019年。近年急速にラボグロウンダイヤモンドの認知が進んでいます。透明で美しい輝きを放つダイヤモンドはもちろんの事、イエロー・ブルー・レッド・ピンクといった色を持つ、ファンシーカラーダイヤモンドと呼ばれるものまで存在するようになりました。日本でも、ラボグロウンダイヤモンドを専門に扱う企業が登場し、ラボグロウンダイヤモンドが流通しつつあります。

しかし、中には「人工物だけど本当にダイヤモンドなの?」「ダイヤモンドは天然でないと意味がないだろう」といった、ラボグロウンダイヤモンドへの懐疑的な意見も見受けられます。

そこで、ラボグロウンダイヤモンドとはどのようなものなのか、天然のダイヤモンドと比較しながらご紹介します。

ラボグロウンダイヤモンドとは?

本物のダイヤモンドである

ラボグロウンダイヤモンドは天然のダイヤモンドと全く同じ素材・結晶構造・輝きを持ちます。成長した場所が地中であるかラボラトリーであるかの違いです。天然のダイヤモンドが育つ地中環境を、ラボラトリーで再現することにより実現しました。わかりやすく伝えるとすると、天然のマグロと養殖のマグロのようなもので、育った環境が違うだけです。

 また、ダイヤモンドの模造品としてキュービックジルコニア(CZ)やモアッサナイトというものがありますが、これらとラボグロウンダイヤモンド全くの別物で、石の成分や硬さ、重さ、輝きが違います。

環境に優しいダイヤモンドである。

ラボグロウンダイヤモンドは、ラボラトリーで製造されるため、環境に優しく倫理的です。天然ダイヤモンドは、産地を巡った紛争や採掘による環境破壊、採掘の際の劣悪な労働環境などが問題視されています。それに対してラボグロウンダイヤモンドは、そのような環境問題、倫理的な問題が一切ありません。

 そのため、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みの一つであるとも考えられています。環境に対する意識が高まっている現代において、ラボグロウンダイヤモンドを取り扱うことは、現代に生きる我々の責任であるのではないでしょうか。

ダイヤモンド半導体

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ダイヤモンド半導体をご紹介する前に、半導体とはどのようなものかをご紹介します。

半導体とは、電気を通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」の中間の性質を持つ物質です。トランジスタやダイオードといった素子を構成するために必要なものであり、パソコンやスマートフォンなど、身の回りの電気機器や電子機器に欠かせない存在です。半導体は、技術が発展した現代を支える重要な技術基盤です。

ダイヤモンド半導体とは?

ダイヤモンドは究極の半導体材料

宝石として知られているダイヤモンドは、半導体材料としても活用が期待されており、あらゆる面において高い物性値を持っていることから、究極の半導体材料として期待されています。具体的には、高い熱伝導率、高い絶縁耐圧、高いキャリア移動度、高濃度ドーピングによる低抵抗ホッピング伝導、室温でも安定な励起子などが挙げられます。

次世代パワーデバイス材料の候補として、ダイヤモンド以外にはSiC やGaNが存在します。現在はこれらを使用したパワーデバイスが実用化されており、Siを使用したデバイスより優れた特性を示すことがわかっています。特にSiCはEVや新幹線にて導入実績があり、今後の市場拡大が見込まれています。

ダイヤモンドは、これらの材料の更に次世代の半導体材料として期待されているのです。実際にダイヤモンドを用いたデバイスはSiCをさらに凌駕する特性が予測されており、今後の研究の活性化・実用化が期待されています。

シリコンの物性限界

現在主に使用されている半導体材料は、シリコン(Si)です。しかし、今日ではSiを材料としたパワーデバイスの性能向上は限界に近いとされており、新しい材料を用いたパワーデバイスの創生が要求されています。そんな中、ダイヤモンド半導体は、「大電圧を扱える」「低損失な電力変換が行える」といった点から次世代パワーデバイスとして期待されています。

脱炭素社会・省エネルギー化を実現する

ダイヤモンド半導体は、これらの高い物性値より、脱炭素社会及び省エネルギー化社会の実現に貢献できると考えています。Siと比べると、デバイス使用時の電力低損が約9万分の1となると予測されており、これらを発電所・新幹線・電気自動車などに実装することで大幅な電力損失カットが可能です。よって、発電量の減少、CO2排出量の減少を招き、環境保全へとつながるのです。

このように、ダイヤモンド半導体は、SDGsの観点からも非常に重要視される研究分野なのです。

日本を活性化させる産業の創出

“日の丸半導体”の衰退

シリコンバレーや深センに代表されるように、半導体・IT分野は大量の雇用とイノベーションを生み出し、その国を象徴する一産業となるポテンシャルを秘めています。わが国を見てみると、半導体業界は1980年代では「産業のコメ」と言われ隆盛を誇っていたのに対し、ロジック分野ではファブレス企業の台頭以降、垂直統合型モデルにこだわる大手総合電機メーカーは投資・研究開発のスピードに追従できずに衰退していきました。

パワー半導体における日本のシェア

しかし、現在もなお、日本が半導体産業で成功を収めている分野が一つあります。それがパワー半導体です。パワー半導体は、特に鉄道やインフラ向けといった大電力を扱う製品に強く、汎用的な大量生産品と異なりカスタム品であるために、日本企業の強みが活き大きなシェアを獲得しています。将来、究極のパワー半導体材料であるダイヤモンドを我々が提供することで日本のパワー半導体・日本の産業に貢献したいと考えています。

ダイヤモンドの様々な使用用途

またダイヤモンドは、宝石や半導体以外にも様々な分野で応用が期待されています。現在既に使用されている例では、ヒートシンク、工学窓、工具などがあり、将来的には、半導体デバイス(パワーデバイス)、深紫外線LED、バイオセンサー、さらには量子デバイスなどへの応用まで期待されています。